オンライン通信講座: 実作狂歌講座(入門者も、指導者を目指す人も!)

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講座名
実作狂歌講座(入門者も、指導者を目指す人も!) [詳細]
配信日2017-03-02 21:53:44
講師青村豆十郎
件名実作狂歌講座(入門者も、指導者を目指す人も!)
狂歌講座へようこそ。

 狂歌を嗜む目的について「健康長寿」を期待される方がいらっしゃいます。

 古くから狂歌を嗜んだ者は長生きと言われます。江戸期の狂歌を代表する二名、四方赤良が七五歳、鯛屋貞柳が八一歳、まぁ当時の平均寿命から考えてよく生きた方だと言えるでしょう。近代短歌や俳句の方はその創始者である正岡子規が短命でした。また、死に際して長生きした者は諧謔(つまり狂歌調)の、早死にの者は悲嘆(和歌・短歌調)の一首を辞世とすることが多く、歌人薄命、狂歌師は長生きとの印象が深まります。
 そんなわけで、狂歌は長生きの元だと説く方は私以外にもいらっしゃいます。そうした方々は考えることによる認知症の予防効果やストレス軽減効果などを理由としています。

 私は狂歌には人を長生きさせる宿命があるのだと思っています。
 それは狂歌の興りに遡ります。

 古い時代、狂歌と和歌は区別されませんでした。それを正統なる和歌と狂歌とを分離したのが藤原俊成・定家の親子、そして定家の曾孫の二条為世とその弟子で和歌四天王と呼ばれる人達です。彼らは古今集こそ至高の歌集であるとして「古今伝授」ということを始めました。
 「古今伝授」の中身がどんなものであったのか、それは完全に知られてはいません。ただしこの「古今伝授」を正統に授かった人達は、何故か、異常に長生きしているのです。

 俊成が九十歳、定家は病がちな自分を嘆きつつ八十歳。二条為世が八十九 四天王などと言われる彼の弟子達も凄い。能誉が九十以上、浄弁が九十、頓阿が八十四、慶運や吉田兼好といったよく知られる門人らは軒並み七十超え。
 その後、連歌師宗祇に古今伝授をした東常縁(とうのつねより)は八十三。それを受けた宗祇は八十一。宗祇の惣領弟子の宗長は八十四。宗祇から御所伝授の流れを継いだ三条西実隆が八十二。奈良伝授創始の林宗二が八十三。堺伝授創始の牡丹花肖柏が八十四。
 鎌倉時代、南北朝時代、室町時代、戦国時代。医学が発達していないのみならず、疫病や戦災のリスクも高いこれらの時代にこうした年齢まで生きるのは途轍もないことです。

 実は古今伝授を受けた歌人達は「狂歌」を捨てていませんでした。表だって発表する歌ではないとしながら、裏では盛んに狂歌を創っていたらしいのです。時代が下ってくると古今伝授を受けた者が、正統な和歌よりも寧ろ狂歌師としての名を残している例が見られます。
 まず、三条西家から古今伝授を預かったことで知られる細川幽斎とその弟子筋である松永貞徳、智仁親王、正親町公通、石田未得、半井卜養など。未得と卜養は天明狂歌が興る前に江戸狂歌二大家と呼ばれた人達です。ちなみに、名前挙がった人、みんな長生きです。
 皇室にも狂歌と古今伝授が伝わりました。江戸時代前期の後水尾天皇、霊元天皇はどちらも御所伝授と呼ばれる正式な古今伝授を受け、なおかつ、狂歌を嗜むことが知られています。そして、どちらも八十を超える宝算を得ています。

 古今伝授で最重要視される古今集の序文では「和歌の父母」と言える古歌として二つの歌を挙げています。

 難波津に咲くやこの花冬ごもり今は春べと咲くや此の花
(難波津で梅が咲きました。冬の間じっとしていたけれどもう春だと梅が咲きました)
 安積山影さへ見ゆる山の井の浅き心をわが思はなくに
(安積山の景色が映るくらい浅い山の井戸のような浅い心であなたに対応してはいませんよ)

対して、私は「狂歌の父母」として次の二首があると思います。

 君が代は千代に八千代に細石の巌となりて苔のむすまで
(あなたの時代が何代も何代も、小石が大岩となって苔が生えるくらいまで続きますように)
 奥山の岩垣沼の水隠りに恋ひやわたらむ逢ふよしをなみ
(あなたに逢う方法が無いので深い山の岩に囲まれた水に心を隠すようにして恋していきます)

 安積山と奥山の対比は、浅くて景色映す水によりはっきり伝える心、沼の深い水に隠し続ける心。かつての狂歌は表だって広めるものではありませんでした。
 そして、「此の花」と「巌」の対比。実は古事記・日本書紀に次のような話があります。
 天孫降臨で日本の地に来た瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に国津神たる大山祇神(オオヤマツミノカミ)が二人の娘を嫁がせる。しかしニニギは醜かった姉イワナガヒメを帰してしまい、美しい妹コノハナノサクヤビメとのみ結婚する。
 しかしコノハナノサクヤビメは梅や桜のように天孫の繁栄の象徴。イワナガヒメは岩のように天孫の長寿の象徴。以来、天皇家も人も繁栄はしても短命で終わるようになったという。

 これが、古今伝授の秘密を説き明かす鍵です。正統なる和歌は美しく繁栄を約束する歌。狂歌は地味だが長寿につながる歌。和歌と狂歌を両方嗜む事で名声と長寿の両方を手に入れることが出来るかもしれません。
 
 現在、短歌を学ぶには探せば色々と方法があります。しかし、狂歌を学べる講座は少ない。長寿をもたらす(かもしれない)狂歌をこの講座で自分のものにしませんか?




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